初めての海外進出ポイント
● SWOT分析で内部要因、外部要因を分析する
● 事業計画を策定し、戦略的な施策に落とし込む
● 各種支援機関を活用し情報収集や準備を進める
SWOT分析を行い事業計画を策定する
いざ海外展開となると、どこの国にどんな商品を売り込めば良いのか、そもそも海外展開が最善策なのかもわかりません。そこでまず、ご提案するのがSWOT分析の実施です。(SWOT分析とは、Strength(強み)、Weak(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つを書き出し、強みとは自社の強み面、弱みとは自社の弱み面、機会とは、自社のチャンスになるような外部要因、脅威とは自社を脅かすような外部要因を書き出します。)例えば、SWOT分析により自社の強みは、独創性のある商品デザイン力、弱みは知名度と資金力、機会は成長する東アジアの新興国市場、そして脅威は国内の市場の縮小というふうに明らかになります。これらを把握することで、戦略を立てたり、リスク管理を行ったりするのに役立ちます。
新規事業などで、まず取り組むのが事業計画書の策定です。事業計画を検討することで、漠然とした考えやアイディアを具体化し戦略的な施策に落とし込むとができます。それは海外展開でも同様です。対象国の選定、スケジュールや費用面の見える化、リスクに対する理解をベースに、資金調達でも活用できる事業計画書の作成を目標レベルとします。

各種支援機関のサポートを活用する
事前調査としては、各種支援機関のサポートを活用するようにお勧めします。ジェトロのホームページ(https://www.jetro.go.jp/)では、海外ビジネス情報や国・地域別の統計データの収集が可能です。最新のビジネスニュース・レポート、輸出入に関する制度などの情報をもとに、進出先を絞り込むこともできます。法規制や外資規制に関する情報、気候や風土、歴史、宗教観、商習慣なども学ぶことも大切です。実際に海外へ足を運び、潜在顧客や取引先候補を訪問し現地・現物で確認する前に、これら調査資料を参考に道標を定めておくと良いかと思います。
さらに、ジェトロでは専門家による相談対応、見本市・展示会に関する情報提供、パートナー探しのサポート、マッチングサービスなどの支援も行っています。ここ最近は、オンラインの展示会や商談会も適時行われており、海外に出向くことなく海外ニーズを探ることもできます。世界の見本市・展示会情報(J-messe)では、開催情報が閲覧できるだけではなく、ジェトロが参画する展示会ブースに費用を抑えて出展することもできます。また、中小機構基盤整備機構の専門家相談、各種セミナー情報、海外マッチングサービス、各種レポート動画、EC活用支援に特化した情報動画【ebiz】なども参考になるコンテンツです。
これら、情報収集を経て、仮戦略の立案や仮説の設定を行い今後の具体的な事業計画の策定に入ります。SWOT分析や各種サイトから得たマクロの情報、展示会や専門家相談で得た見聞情報をもとに、実際に自ら調査を行う潜在顧客の検索・対象国の選定のステップに移っていきます。この段階に来ると外国語ができる人材が必要となってきます。いきなり正社員として外国人の採用は難しい場合は、留学生のアルバイト採用をお勧めします。留学生は資格外活動許可を得ることによって週に28時間までアルバイトを行うことができます。近隣の日本語学校へ求人票を送るなどして留学生人材を確保することができます。
対象国の選定と現地パートナーの開拓
海外で自社製品を販売する際には、現地法人や支店を設立する方法もありますが、初期の段階では現実的ではありません。現地での需要見込みが定まらない段階で投資を行うことはリスクが高いと考えられます。そこで自社の代わりに現地でマーケティングを行ったり、自社製品を販売してくれるパートナーを活用することが現実的なアプローチと考えられます。現地パートナーは、代理店とディストリビューターに分類されます。代理店は販売を仲介し在庫を持ちません。販売が設立したら手数料を徴収します。ディストリビューターは自らの責任において商品を購入(輸入)し、最終顧客に販売を行います。現地マーケティング機能も有しています。
このように、各種支援機関の支援を受けながら準備を進め、また現地にも出向くなど精力的に市場開拓を行うことで、より具体的な事業計画書を策定することができます。さらに、現地のパートナー候補もを見つけることも容易になります。一つずつ課題をクリアしていくことで、海外展開に向けたイメージも具体化していくことでしょう。海外展開の準備は自社だけで行おうとせず、支援機関を上手に活用していくと非常にスムーズです。しっかりとした準備と備えがあれば事業規模に関わらず、平等にチャンスがあります。