経営管理ビザの取得や更新において、行政書士と中小企業診断士はどちらも重要な役割を担いますが、その専門性と担当範囲は明確に異なります。2025年10月の省令改正により、これら両者の連携がさらに重要視されるようになりました。

以下に、それぞれの役割の違いを詳しく解説します。

1. 行政書士は「申請手続きの専門家」

行政書士は、主にビザの申請書類の作成や手続きの代行を専門としています。

主な役割: 出入国在留管理局(入管)の規定に沿った形式で書類を仕上げ、ミスのない申請手続きをサポートすることです。証明書の取り寄せや申請書類の作成といった煩雑な事務作業を代行します。

得意領域: 提出書類が法律や行政の基準を満たしているかを確認し、形式を整える点に高い専門性を持っています。

限界: 財務状況の深い分析や、具体的な経営改善策の策定、将来の収支予測といった「経営・財務の専門的な分析」は通常、専門外であることが多いのが実情です。


2. 中小企業診断士は「経営改善の専門家

中小企業診断士は、事業計画の策定や企業の経営分析を専門とする国家資格者です。

主な役割: 事業計画の「実現可能性」「継続性」「収益性」を客観的に評価することです。財務状況が悪化している(赤字や債務超過)場合に、その原因を分析し、具体的な数値とデータに基づいた改善計画を提示します。

得意領域: キャッシュフローの分析や事業計画のモデリング、市場分析など、根拠のある戦略的な計画を立てることに長けています。

改正後の役割: 2025年10月からは、すべての経営管理ビザ申請において、中小企業診断士等による「事業計画書に対する第三者評価」が義務化されたため、その「評価書」の発行という極めて重要な役割を担います。


3. 行政書士と中小企業診断士の役割の違い

比較項目行政書士中小企業診断士
主な担当範囲申請書の作成、手続き代行、
形式チェック
経営分析、事業計画の評価、収支予測
専門性行政手続き・法律の遵守経営戦略・財務分析・数値根拠
入管への役割規定通りの書類を不備なく提出する事業の継続性と健全性を客観的に
証明する
改正後の必須性申請手続きの円滑化を推進評価書の作成者として実質的に必須


まとめ

「経営管理ビザ」の申請や更新は、これまでは行政書士だけで対応できるケースもありましたが、今後は「手続きの正確さ」と「経営計画の妥当性」の両面が厳しく審査されます。行政書士のみに依頼した場合、形式的には整っていても、中身の「経営改善の見通し」や「計画の具体性」が薄いと判断され、不許可や再提出のリスクが高まります。一方で、中小企業診断士は経営の専門家ですが、ビザ申請の手続き実務に精通しているとは限りません。そのため、行政書士が手続きを統括し、中小企業診断士が事業計画の妥当性を裏付ける評価書を作成するという「協力体制」で臨むことが、2025年10月以降のビザ取得・更新を確実にするための理想的な形となります。

(関連記事)
在留資格「経営・管理」(出入国在留管理庁)
高度専門職ビザの1号と2号の違いは?
高度専門職ビザ取得に有利な「経営革新計画」

お気軽にご相談ください
経営革新等支援機関である中小企業診断士が、迅速かつ丁寧に対応いたします。

CONTACT

お電話でのお問い合わせ

050-3695-0276

受付時間 9:00-18:00

[ 土・日・祝日除く ]