人手不足の解消のために、外国人留学生は即戦力として重要な人材です。外国人留学生をアルバイトとして雇用する際のポイントをまとめました。
令和5年度私費外国人留学生生活実態調査概要によると、留学生全体で65.2%がアルバイトをしています。在籍学校別のアルバイト従事率では、短期大学や専修学校の留学生が80%台と高く、日本語学校では68.9%となっています。

国別では、全体の留学生の割合と比例して東南アジアや西アジアからの留学生がアルバイトに従事するケースが増えています。留学生アルバイトが活躍している職種は、主に接客業、教育・語学関連、軽作業・製造の3つのカテゴリーに分けられます。
外国人留学生を雇用するメリット
1. 現場の活性化と意識向上 組織の活性化
異なる文化背景を持つ人材が入ることで職場に多様性が生まれ、雰囲気が明るくなったり、コミュニケーションが活発になる傾向にあります。また、言語や文化の違いがあるため、日本人スタッフが「指示を具体化する」「分かりやすい日本語を使う」といった工夫をするようになり、結果としてチーム全体のコミュニケーション能力が向上します。
2.日本人従業員の意識向上
留学生の「日本で働きたい」「日本語を学びたい」という熱心な姿勢が、日本人スタッフに良い刺激を与え、プロ意識や仕事への取り組み姿勢を見直すきっかけとなります。
3.顧客満足度の向上(インバウンド対応) 多様なニーズへの対応
訪日外国人の増加に伴い、留学生が言語能力(英語、中国語、ベトナム語など)だけでなく、彼らの国の文化や習慣に基づいて接客することで、外国人顧客の満足度を高められます。
外国人留学生を雇用する際の留意点
留学生を雇用する際は、日本人アルバイトにはない法律上のルールを守ることが、企業を守ることにも繋がります。特に重要なポイントを3つに絞ってお伝えします。
1. 「資格外活動許可」の確認
留学生の本業は勉強であるため、働くには入管からの許可が必要です。許可を得ていない場合は、アルバイトはできません。在留カードの裏面をチェックして「許可:原則週28時間以内」というスタンプがあるかを必ず確認してください。許可がないまま働かせると、不法就労助長罪(入管法73条の2) として雇用主も罰せられる(5年以下の拘禁刑、500万円以下の罰金、またはその併科)可能性があるため、非常に重要です。
2. 「週28時間以内」の厳守
もっともトラブルになりやすいのが残業時間です。他社との合算を注意してください。かけもちをしている場合、全職場の合計で週28時間を超えてはいけません。長期休暇中の特例として、 夏休みなどの学校が定める長期休暇中のみ、1日8時間(週40時間)まで働けます。日本人従業員と同じ感覚で「急な欠勤の代打」を頼みすぎると、上限を超えてしまうリスクがあるため、シフトは余裕を持った管理が必要です。
3. ハローワークへの届出
雇用時と離職時の両方で、ハローワークへの報告が法律で義務付けられています。 外国人雇用状況報告は、氏名、在留資格、在留期間などを届け出ます。これを怠ると10万円以下の過料が科される場合があります。
外国人留学生を雇用する方法
留学生を採用するルートは、大きく分けて「自社で募集する」「学校と連携する」「専門のサービスを使う」の3つがあります。自社のスタイルに合うものを選んでください。
1. 一般的な求人媒体で募集する(スピード重視)
日本人と同じ枠で募集をかけますが、留学生の目に留まりやすくする工夫がポイントです。
大手求人サイト:(タウンワークやバイトルなど)「留学生歓迎」「履歴書不要」「週2日〜OK」などのタグを活用します。
SNS(Facebook/WeChat):留学生コミュニティ(「在日ベトナム人グループ」など)は非常に活発です。既存の留学生スタッフがいれば、そのコミュニティでシェアしてもらうのが最も確実でコストもかかりません。
2. 学校のキャリアセンター・掲示板(信頼性重視)
大学や日本語学校には、学生専用の求人掲示板があります。近隣の大学や専門学校の事務局に求人票を持ち込みます。学校公認のアルバイトとして紹介されるため、真面目な学生が集まりやすいのがメリットです。各地域の「留学生支援ネットワーク」などを通じて募集をかけることも可能です。
日本語学校の検索:全国日本語学校データベース
3. 外国人専門の求人サイト・紹介会社(効率重視)
日本語レベルや在留資格のチェックを代行してくれるサービスです。メリットとしては、日本語能力(N1〜N3など)で絞り込みができ、不法就労のリスク管理(在留カードの確認サポートなど)も手厚いのが特徴です。
専門サイト: マイナビグローバルやYOLO JAPANなど、外国人に特化した媒体。
4. リファラル(紹介)採用(定着率重視)
すでに働いている留学生から友人を紹介してもらう方法です。仲の良い友人と働くことで定着率が上がり、仕事の教え合いもスムーズになります。紹介料(インセンティブ)を出す仕組みを作ると、より活性化します。
留学生の日本語能力に関しては、個人差があります。面接の際にしっかり確認するようにしてください。
まとめ
人材不足が深刻な日本において、留学生のアルバイト活用は極めて有益であり、多くの企業が人手不足解消の手段として取り入れています。留学生を採用することで、単に人数を確保できるだけでなく現場に多様性をもたらします。優秀な人材であれば将来的な正社員採用(就労ビザへの切り替え)にも繋がるというメリットがあります。
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